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Loom Network(ルームネットワーク)とは?
通貨単位 | LOOM |
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発行枚数 | 10憶 |
公開日 | 2018年3月 |
公式サイト | https://loomx.io/ |
公式ブログ | https://medium.com/loom-network |
My Crypto Heroesで使用されているLoom Networkは、dAppsゲームに特化したスケーラビリティ問題(取引量増加及びブロックサイズの制約による送金詰まり)のソリューションとして注目を集めています。
Ethereum(イーサリアム)のスケーラビリティ問題のソリューションには既にRaiden Network(ライデンネットワーク)やPlasma(プラズマ)がありますよね。
これらはオフチェーンを用いたものでしたが、Loom NetworkはDappsチェーンと呼ばれるサイドチェーンを使用することでトランザクションの詰まりの解決を目指していくデベロッパー向けのソリューションです。
Dappsチェーン(サイドチェーン)とは?
サイドチェーンとは名前の通り、メインチェーンの側鎖となって機能拡張を担います。元々はスマートコントラクトのないビットコインのために作られたもので、レイヤー2やサブチェーンなどとも呼ばれています。
今までイーサリアムのメインチェーンはセキュリティを維持するために処理能力を犠牲にしていましたが、Dappsチェーンにその処理を任せることで負担軽減(メインとはRelayという形でやり取り)を担います。
サイドチェーン上でDappsを展開するLiskには有名なJavascriptが採用されていますが、DappsチェーンはSolidityというプログラミング言語(イーサリアムと同様)が採用されています。
Zombie(ゾンビ)チェーンについて
dAppsの処理能力向上のために開発されたDappsチェーンではありましたが、独自チェーン(メインから独立したチェーン)であるがためにデベロッパー自らが承認者(Validator)を設定しなければならないという煩わしいがありました。
この問題点を解決すべく新たに開発されたのが共有のサイドチェーンであるZombieチェーンです。独自チェーンであるDappsチェーンとの最大の違いは手数料の支払い方法にあります。
Dappsチェーンはトランザクション毎に手数料(Gas)を払わなければ(それでもサイドチェーンであるためイーサリアムのメインチェーンに比べれば格段に安価かつ低頻度)なりません。
一方Zombieチェーンは、Loomトークン(Loom Membership Token)を用いた月額制となっています。つまりLoomトークン(デベロッパーの)残高から差し引かれていく形となります。
これまでのLoomトークンはRelayのアクセス権、つまりメンバーシップカードとしての機能しかありませんでしたが、Zombieチェーンの登場によってさらに価値が高まったと言えます。
また、このZombieチェーンはデベロッパー自身が独自のDappsチェーンにフォークさせて月額費を払わないことも可能ですがその場合は手数料をデベロッパー・ユーザーの両者が支払うことになるので注意が必要です。
Plasma Cashについて
2018年6月30日、Plasma Cash(プラズマキャッシュ)がLoom Networkに搭載されました。
Plasma Cashとは上記でも紹介した、Plasmaの上位互換といっても過言ではない新たなスケーリングソリューションとして期待されています。
Plasma(プラズマ)はイーサリアムのメインチェーン(親チェーン)の構造下に属する子チェーンとしてスケーラビリティ問題の解決を担うべく開発されました。
子チェーンにトランザクションを書き込み、そのデータをまとめ上げたマークルツリーを親チェーンへと記録するという節約を行うことでスケーラビリティ問題の解決を目指しました。
しかしPlasmaにおいて、子チェーン内のトランザクションは親チェーンの監視をしていないと不正攻撃に対する証明(Fraud Proofs)を行えないという点などでセキュリティ面に問題がありました。
そこで登場したのPlasma Cashはチェーンにデポジットされるトークン(ETHなど)に対して固有のTokenIDを付与することで検証データの最小化を行い、その問題の解決を図ります。
さらにERC721トークンの利用とGasなしのトランザクション、そして1秒以下の承認スピードの実現を可能にするため、Loom Networkによるゲームスピードをさらに飛躍させることが出来るでしょう。
Loom Networkを使ったプロジェクト
このように日々進化を続けるLoom Network。My Crypto Heroesをはじめ、多種多様なdAppsがすでに実装されています。ここではその中でも代表的なものを4つご紹介していきます。
My Crypto Heroes
まず一つ目はやはり話題の国内新作dAppsゲーム、My Crypto Heroes(以下略称MCH)でしょう。イーサエモンチーム、EMONT Allianceとも提携した初めてのdAppsゲームとして世界中から注目を集めています。
ワーカープレイスメント(冒険に送り出して一定時間後帰還)型RPGで、開発陣にはモンストの岡本氏やモンスターファームの高宮氏、そしてdAppsブロガーの根本氏などかなり豪華な布陣を揃えています。
先月の2018年9月21日にプレセールが行われ、公式リリースは11月30日に予定しています。
私もプレセール及びβバトルに参加しましたが、「バトルが長い」「アートエディットの著作権」「プレセールヒーローは後発に勝てるのか?」などなど問題もいくつか見られました。
期待が大きい分、求めるクオリティも大きくなってしまいがちですが、批判を恐れずにこれから少しずつ前に進んでいけばいつかはイーサエモンとも並びうるポテンシャルを秘めたdAppsであると期待しています。
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Crypto Zombies
Crypto Zombiesは、ゲーム感覚でDappsコードが学べるアプリケーションです。プログラミング言語のSolidityを用いて、スマートコントラクトのセキュリティやGasの概念などを学習することが出来ます。
ゾンビをカスタムして人間を捕食する、というゲームスタイルは「ウォーキングデッド」や「カメラを止めるな」が注目されている今、かなりウケるコンテンツではないでしょうか。可愛らしい絵も魅力の1つです。
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DelegateCall
DelegateCallは、DappsチェーンによるブロックチェーンQ&Aサイトです。
ブロックチェーンに関する「Yahoo!知恵袋」的立ち位置として、ユーザー同士の質問及び回答を閲覧することが出来ます。
ブロックチェーンに基づいた構造であるため、回答するなどサイトに貢献することで報酬(トークン)の獲得も可能となっています。
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Loom SDK
Loom SDKはLoom Netwokを利用したdAppsを開発するためのサポートキットです。
スマートコントラクトを作り出すための高度なコードやサンプルが用意されているため、短期間で効率的に、尚且つ簡単にdAppsを開発することを可能にします。
このLoom SDKを用いたハッカソン(ソフトウェア開発イベント)が世界各地(東京、ソウル、ニューヨーク、ロンドンなど)で行われており、Loom製dApps開発の熱は着実に高まっていると言えます。
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ホワイトペーパーが存在しない!?
このように続々とLoom Networkを使ったプロジェクトが発表されているのですが、それらの開発予定などを示す「ホワイトペーパー」がなんとLoom Networkにはありません。
ほぼすべての仮想通貨にはこれが存在します。ブロックチェーンの登場もサトシナカモトによるビットコインのホワイトペーパーからでした。投機家たちもこれを参考にして大金を投じるものです。
しかしLoom Networkは、未来の予定という不明瞭な物差しではなく実際にリリースするプロジェクト・プロダクトを通じて評価を下してほしい、という熱い想いがあるようです。この心意気には胸を打たれますね。
MCHがプレセール及びランキングバトルで注目を集めたように、今後も多くの有望プロジェクトがローンチすることでしょう。私個人としてはCrypto Zombiesがかなり面白そうだったので近いうちに触ってみようと思います。乞うご期待!
編集部おすすめのdAppsゲームはイーサエモンです!日本語にも対応しており、登場するモンスターも可愛く、初めてdAppsゲームを触ってみるという方には特にオススメです!